近年、注目されているハウスクリーニングサービス。
少し前は、あまり耳慣れないサービス名でしたが、今や3人に1人がハウスクリーニングの利用経験があるとも言われる時代となりました。
ハウスクリーニング業界の市場規模は、2009年には1億円程度だったのが、2020年にはなんと、約10倍の1兆円に到達。
毎年の開業数は1万社にものぼるとか。
今後も右肩上がりで成長を続けていくと見込まれる、今最もアツい売り手市場のひとつです。
一体なぜ、こんなにハウスクリーニングが人気なのでしょうか。
ハウスクリーニングを利用する人が増えている理由
ハウスクリーニング業界の爆発的な成長の背景には、社会の変化や人の行動の変化があります。
その変化とは、おもに高齢化社会の進行、単身世帯や共働き世帯の増加、ライフスタイルの変化、価値観の変化。
この4つのキーワードから、ハウスクリーニング業界が躍進している理由を紐解いてみましょう。
2020年に、総人口に占める65歳以上の割合が30%近くを占めるようになりました。
3〜4人に1人が高齢者という高齢化社会です。
1950年時点では高齢者の割合は5%程度、人数にして20人に1人ぐらいしかいなかったのですから、たいへんな変化です。
高齢者の一人暮らしや夫婦二人だけの世帯も増えてきました。
「住まいの掃除をしたくても、体力や気力が落ちてしまってなかなか…」
そんな方々が、ハウスクリーニングや家事代行のサービスを利用するケースがあります。
今後も高齢化社会は続いていく見込みなので、シニア世代のハウスクリーニングの利用は拡大していくと見られています。
80年代までは、生涯未婚率は非常に低く、95%以上の人が結婚していたと言われています。
しかし最近は結婚する人が激減しており、人口の2、3割の人が未婚のまま一生を終えることが予測されています。
また、結婚したとしても、夫婦とも働きに出る共働き世帯が多く、専業主婦は少数派になってきています。
「疲れて帰ってきて家事や掃除になかなか手が回らない…」
そんな背景から、働き盛りの世帯からのハウスクリーニングの依頼も増えています。
今後も、単身世帯や共働き世帯はますます増えていくと予測されているので、ハウスクリーニングの需要も高まっていくと思われます。
2020年のコロナウイルスの世界的流行により、私たちのライフスタイルは変化を余儀なくされました。
会社ではリモートワークが導入され、学校ではオンライン授業が当たり前に。
その結果、多くの人が、圧倒的に家で過ごす時間が長くなりました。
家で過ごす時間が長くなると、自然と、できるだけ自宅を過ごしやすい環境にしたいという気持ちが芽生えてくるもの。
「外へ通勤、通学していた頃にはあまり気に留めなかった汚れが気になり出した…」「家をピカピカにして気持ちよく在宅勤務したい」…
こうした理由からハウスクリーニングを依頼される方が、コロナ禍を境に増えてきました。
また、手洗いやうがい、消毒の習慣が徹底され、衛生への意識が高まったことも、コロナ以降の大きな変化です。
コロナ以前に比べて、空気中の汚れが蓄積しやすいエアコンのクリーニングや、「抗菌・抗ウイルス」などのメニューのニーズが高まっています。
昭和時代の前期は、製造業や建設業などのモノづくり産業が花形産業の感がありました。
ですが近年は、モノづくり産業は下火となり、医療や福祉、教育、ITなど、いわゆるサービス業がそれに代わってきています。
モノよりも、知識や情報を得ることや、サービスを受けることに人々の関心が向かっているんですね。
また、特に最近では、限りある時間を有効活用しようという「タイパ」(タイムパフォーマンス)を価値観に据える人が増えてきたとも言われています。
まさに、ことわざでいう「時は金なり」です。
「時間をお金で買えるなら買いたい」──ハウスクリーニングのサービスを利用する人たちの根底にあるのは、この価値観なのかもしれません。
ハウスクリーニングの利用実態
さて、では一体、ハウスクリーニングを利用する人たちはどのようにこのサービスを利用しているのでしょうか?
オリコン株式会社の調べによると、最も多いのが、「エアコンクリーニング」で約7割。
続いて、「キッチンの換気扇・レンジフードの洗浄」が4割。
「浴室清掃」「キッチン清掃」がいずれも3割程度、「トイレ清掃」が2割弱となっています。
エアコンや換気扇、レンジフードなど、自分では掃除が難しい箇所のクリーニングへの需要が高いことがわかります。
では、ハウスクリーニングを利用する際の金額はどれぐらいなのでしょうか。
上で見た依頼の多い箇所5箇所について見てみると、どのサービスも「1万円~1.5万円」の価格帯で最も多く利用されていることがわかりました。
その中で「浴室」は最も価格が高く、「2万円以上」で利用している人も14%いるという結果になっています。
ハウスクリーニングを利用するメリットについては、約7割が「自分でやるより汚れが落ちた」、約5割が「プロに頼む安心感」と回答しています。
エアコンクリーニングに関しては、「エアコンの効きが良くなった」「エアコンカビが前より発生しにくくなった」「電気代の節約につながった」。
そのほか「浴室カビが発生しにくくなった」「日常のお手入れが楽になった」「掃除の手間やストレスから解放された」などの回答もあがっています。
こうした声から、利用者のハウスクリーニングへの満足度が高いことが伺われます。
参考:PR TIMES
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ハウスクリーニング業界の実態
次に、ハウスクリーニングの事業者側の状況に目を向けてみたいと思います。
今大人気のハウスクリーニング業界ですが、起業数が多い一方で、実は廃業率も高いと言われています。
新規に開業した1万件のうち半数の5000件は廃業してしまうとか。
一体どうしてなのでしょうか。
ハウスクリーニングの「起業のしやすさ」と「継続していくことの難しさ」の2つの観点から、見ていきたいと思います。
ハウスクリーニング業は、比較的起業しやすいと言われています。
それには、以下のような理由があります。
・一人でもスタートできる
・年齢や経歴も関係ない
・固定費や在庫リスクがない
・集客サイト経由で集客できる
・スキルが習得しやすい
・フランチャイズで参入することもできる
・人手不足なのでアルバイトなどから入りやすい
特別な資格や技術がなくても自分の体一つで始めやすいところに魅力があると言えるでしょう。
「もともと主婦をやっていて掃除が得意なので起業した」「仕事を続けたいから定年退職後に起業した」というような人もいます。
ですが、廃業してしまう人が多いということは、起業しやすいと同時に、続けていくのも難しい業種だということになります。
どういうところが、ハウスクリーニング事業の継続を困難にしているのでしょうか。
・繁忙期と閑散期の差が大きく、経営が安定しない
・売り上げ単価が低い
・人手不足
・競争が激しく集客が難しい
・集客サイトの紹介手数料が高い
気軽に始められる反面、同じように起業した競合他社との競争に勝ち抜いていかなくては生き残れません。
最近は、格安で依頼を受ける業者が増えてしまい「格安業者に仕事を奪われてしまった」という嘆く事業者も続出しています。
競争の激しいハウスクリーニング業界で生き抜いていくのは至難の技。
集客ルートをうまく確保し、他社と差別化できる独自の強みを打ち出していくことが不可欠と言えるでしょう。
もちろん、技術力を高めて、親切丁寧な対応を心がけていくことは大前提です。
まとめ
今日はハウスクリーニング業界の現状について、「利用者視点」「事業者視点」の二つの側面から見てきました。
利用者が増えて大盛り上がりの業界ですが、舞台裏ではいろいろな苦労があるのですね。
今回の記事が、ハウスクリーニング業界の現状を少しでも知っていただくきっかけになれば幸いです。
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